船舶（商船・クルーズ船など）の電力システムに完全電磁式ブレーカが推奨されるのはなぜ？短絡例もまじえて解説！ - #日幸電機製作所 web製品カタログ(#ブレーカ #サーキットプロテクタ #漏電遮断器 #配線用遮断器 ) #配電盤 #配線工事 #電気工事 #日幸電機 #変圧器

船舶業界で完全電磁式ブレーカが推奨される理由は、船舶の特殊な運用環境と電力システムの要件が、完全電磁式ブレーカーの特性に適しているからです。

◎船舶の特性
船舶（商船・クルーズ船など）の電力システムには、以下のような特徴があります。

・過酷な環境

高温多湿、振動、塩害など、陸上とは異なる厳しい条件となります。

・短絡リスク

エンジンルームや電気機器の密集による配線トラブルで短絡が発生しやすい環境です。

・高信頼性

電力供給の中断は航行や生命維持に直結するため、ダウンタイムが許されません。

・限られた空間

コンパクトで効率的な設計が必要です。

・温度変動

エンジンルームの高温から甲板の低温まで、幅広い温度条件下で動作します。

◎完全電磁式ブレーカーが推奨される理由
・短絡への高速応答
船舶では、エンジンルームのモーター故障や配線のショートで短絡が発生すると、瞬間的な大電流が流れ、火災や推進力喪失のリスクが高まります。完全電磁式ブレーカでは電磁力で数ミリ秒以内に回路を遮断し、短絡電流を即座に止めることができます。熱動式ブレーカは熱の蓄積を待つため、数秒～数分かかり、対応が遅くなります。完全電磁式ブレーカを使用することで火災防止や航行システムの保護に寄与します。

・過酷な環境での安定性
船舶は高温多湿（例: エンジンルームで50℃以上、湿度90%）や振動、塩害にさらされます。完全電磁式ブレーカは熱に依存しないため、温度や湿度の影響を受けず安定動作します。熱動式ブレーカは高温で誤動作（過剰トリップ）や低温で反応が鈍くなるリスクがあります。完全電磁式ブレーカを使用することで環境条件に関係なく確実な保護に寄与します。

・振動や衝撃への耐性
船舶は波浪やエンジン振動により、機械的ストレスが常にかかります。完全電磁式ブレーカは機械的部品が少なく、シンプルな動作原理で振動に強い設計が可能です。熱動式ブレーカのバイメタルは振動で劣化や誤動作を起こす可能性があります。完全電磁式ブレーカは使用することで長期間の航海でも信頼性が維持することができます。

・クリティカルなシステムの保護
船舶の電力は推進システム、ナビゲーション、通信、生命維持装置（空調やポンプ）に不可欠で、異常が全体に波及してはなりません。完全電磁式ブレーカは異常箇所を瞬時に切り離し、他の健全な回路への影響を防ぎます。熱動式ブレーカの遅延は電力不安定を引き起こし、航行不能のリスクを高めます。完全電磁式ブレーカを使用することで船舶の安全性と運用継続性の確保します。

・コンパクトさと耐久性
船舶ではスペースが限られており、メンテナンスが難しい環境下での長期運用が必要です。完全電磁式ブレーカは構造がシンプルで耐久性が高く、故障リスクが低いです。熱動式ブレーカはバイメタルの劣化で定期的な交換が必要な場合があります。完全電磁式ブレーカを使用することでスペース節約とメンテナンス負担の軽減に寄与します。

半導体工場に熱動式ブレーカが向かない理由

・遅い応答速度

熱動式は過負荷保護に適していますが、船舶で問題となる短絡には対応が遅くなります。

・温度影響

高温多湿なエンジンルームで誤トリップや動作不良が発生する可能性があります。

・振動感受性

バイメタルが振動で劣化しやすく、信頼性が低下。

・短絡非対応

瞬間的な大電流遮断が求められる船舶環境では能力不足。

【短絡した場合の比較例】

例）エンジンルームでモーターが短絡し、1000A以上の電流が流れた場合。

完全電磁式ブレーカの場合

即座に遮断し、火災や他のシステムへの影響を防ぎます。

熱動式ブレーカの場合

反応が遅れ、配線焼損やエンジン停止のリスクがあります。

例）エンジンルームが50℃、湿度90%に達した場合。
完全電磁式ブレーカの場合

環境に関係なく正常動作します。

熱動式ブレーカの場合

誤トリップで不必要な電力遮断が発生するリスクがあります。

船舶では、短絡への高速応答、過酷な環境での安定性、振動耐性、クリティカルなシステム保護が求められるため、完全電磁式ブレーカーが推奨されます。

特に、短絡による大電流を瞬時に遮断する能力は、船舶の安全性と運用継続性に不可欠です。熱動式は過負荷保護に適しているものの、船舶の短絡重視かつ過酷な環境には不向きとなります。

【完全電磁式ブレーカをご検討の皆様へ】

完全電磁式ブレーカーのご相談は、完全電磁式ブレーカの専門メーカー【日幸電機製作所】の代理店【日幸電機株式会社( 0223-34-1121 営業：岩佐)】まで。

配線用遮断器(MCCB)・漏電遮断器(ELCB)だけでなく機器保護用遮断器(サーキットプロテクタ)もすべて【完全電磁式】でのラインナップとなっております。

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日幸電機製作所は昭和10年に創業以来、配線用遮断器（FMサーキットブレーカ）の専門メーカーとして、電気回路の安全を守る技術の開発に尽力して参りました。
現在では、多様化するニーズにお応えするため直流電流回路用向け、特に小型・軽量・高遮断性能の遮断器の開発に努力・研究を続けております。
当社は2015年の2月に創立80周年を迎え、これも皆様のご支援の賜物と存じております。今後とも、永年蓄積してきた技術力を基礎にさらにブレーカの技術の探求に努め、新たなひろがりを目指して邁進していきますので、ご期待下さい。

≪取扱品目≫
1.配線用遮断器・MCCB
2.漏電遮断器・ELCB
3.機器保護用遮断器・CBE
4.中性極開閉端子
5.電流制限器
6.鉄道車両配線用ブレーカ
7.鉄道信号配線用ブレーカ
8.ディスポーザ

日幸電機株式会社では、トランス(変圧器・変成器)の設計・製造・販売だけでなく、グループ会社・日幸電機製作所の完全電磁式ブレーカをはじめとした電材の代理店もしております。

トランスがご入用の際は、是非ブレーカを始めとした電材に関してもお問い合わせいただければ幸いです。

まとめての発注で資材の調達管理コスト削減に貢献できるかと思われます。

また、それらを組み合わせた受託組み立ても対応できる場合もございます。

詳しくは弊社営業もしくは下記お問い合わせフォームよりお問い合わせください。

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